将棋駒にはいろいろな種類があります。木の材質や模様、書体、加工方法の違いで様々な種類があり、将棋駒生産量90%以上を誇る、将棋の町である山形県天童市では、今も多くの種類の将棋駒が生産されています。
そんな、将棋駒ひなどんなものがあるのでしょうか?
将棋駒の種類
押し駒(スタンプ駒)
押し駒はスタンプ駒と呼ばれ、駒木地に直接スタンプを押したものです。
第一次オイルショックを境に大衆のニーズが高品質志向になったことなどがきっかけで需要は減少していき、将棋駒の主流は書駒、掘駒へと移っていきました。
書き駒
書駒は、漆で駒木地に文字を直接書いたもので、書体は楷書と草書あります。
天童駒の伝統的な書体は草書体の書き駒です。天童伝統の草書体の書き駒は一時、全く書かれなくなってしまいましたが、近年草書の味が見直され、現在ではわずかながら書き継がれています。
・文字の色分けにより、
「源平駒」 : (表が黒、裏が赤)
「咲分け駒」 : 表の上の方が赤で下方が黒、裏は赤)
「朱書駒」 : (表裏とも赤)と呼んでいます。
彫り駒
天童の彫駒の歴史は比較的新しく、大正始めに印章業をしていた三河金次郎(金光)が印章彫りの技術を生かして、古印体等の字形の駒を作りました。字形は簡略度によって黒彫・並彫・中彫・上彫と整理され、書体名が入るもの銘彫の駒(銘駒)といい、彫る人の熟練度に従って木地や字形が決まりました。
昭和40年代に入って生産の重点が押し駒や書き駒から彫り駒に移り、後述の彫埋め駒、盛上げ駒といった高級将棋駒の技術が研究され、製品化されていきました。
彫埋駒(ほりうめこま)
彫り上がった駒に下地漆を調合し、一回ずつ乾燥 させて数回に渡って下地漆を入れ、数段階に分けて 研ぎ出して平滑に仕上げたもので、最高級品の盛揚駒と共に、将棋駒の芸術品とも言われています。
出来上がりのしっとりした感じから最高級品の盛揚駒よりも彫埋め駒を好む人も多い人気の駒です。
盛揚駒(もりあげこま)
彫埋めして研ぎ出した後に、蒔絵筆を使い文字を漆 で浮き出させ、乾燥のあと入念に磨いたもので、 技術的にも難しく、まさに最高級品です。
盛揚駒の製作には、高い技術を要求され、出来上がった将棋駒はまさに芸術品です。
将棋のタイトル戦などに使用される駒も盛揚駒です。